離婚をすれば、慰謝料を必ずもらえると思っている人がたくさんいますが、財産分与とは違い、必ずしももらえるものではありません。

慰謝料とは、離婚の原因による精神的な苦痛に対する損害賠償金で、有責行為(不貞、DV等)を働き離婚原因を作った側に請求できます。

DV(暴行・虐待)や不貞(浮気・不倫)は、相手の責任が明らかですが、離婚理由として最も多い性格の不一致は、よほどのことがない限り有責行為の判断が難しいため、慰謝料の対象にはなりません。

慰謝料の請求が認められるケースとしては、不貞(浮気・不倫)、DV(暴行・虐待)、ギャンブルなどの浪費癖や生活費の不払い、過度の飲酒癖、同居義務の違反等で、認められないケースとしては、性格の不一致、嫁姑の不仲による不和、宗教上の問題、強度の精神疾患等です。

また、一方的に離婚されることによる精神的苦痛の離婚自体への慰謝料もあります。

慰謝料の金額計算の仕方は存在せず、両者が納得すればそれが請求額になります。

テレビなどで芸能人が多額の慰謝料を支払う等のニュースが流れますが、実際には期待するほどの金額が請求できるわけではありません。

離婚当事者の個々の事情によって決まりますが、自分が受けた苦痛の程度やその期間、そして相手の責任など、様々な要素を金額に換算していきます。

そのときに、あまり感情的にならないよう気をつけなければなりません。

「こんな金額では、片付けられない。絶対に許せない」と、法外な金額を要求したい心情は理解できますが、それなりの相場があります。

怒りにまかせて、高額な慰謝料を突きつけるのは、離婚協議が進まなくなり、泥沼にはまることもあります。

不貞(浮気・不倫)が離婚原因のときは、婚姻関係を破綻させ、耐え難い苦痛を与えられてとして、浮気・不倫の相手にも請求できる場合があります。

慰謝料の合意が整いましたら、金額と支払い方法を示談書等に残し、さらに分割払いのときは、公正証書にしましょう。